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足の骨のアラインメント2

前回、長時間歩行による足の痛みの原因の一つと考えられるアーチの崩れについて、実際の状態を写真で確認しましたが、今回は骨の構造に注目して考えていきます。

足の骨は人体の中でも最も複雑な構造で、26個の骨で構成されています。足の重要な機能は、直立と歩行や走行を安定的に行うという静的および動的状態の実現です。ここでは、直立(静的)と歩行(動的)の際の足の骨に注目して説明を進めます。

足の骨を上から見ると下図のようになりますが、直立の際に大切になるのは青線で囲った足の外側の部分です。これらの骨は安定的に身体を支えてくれます。例えば片足で立った時、身体の重心が内側(第Ⅲ~Ⅰ趾)に移動すると直立していられなくなることを確認できます。

歩行の際は、踵から足が地面に接地し、外側(第Ⅴ~Ⅳ)を通って接地面が前方へ移動するように足が動き、今度は小指から中指へ接地面が移動するように足が動いていきます。そして、中指あたりから地面と離れると、その直後に後方から前方へ空中を移動してきたもう一方の足の踵が地面に接地して、歩行が進んでいきます。

直立や歩行時に安定的に身体を支えるために、下図のように足には3つのアーチ(内、外、横)があります。このアーチが整っていると、長時間歩行しても足に合った靴を履いていれば局所的な痛みは発生しませんが、アーチが崩れていると理想的な足の動きができないため、靴のどこかに足が当たるような状況になり、局所的な痛みが発生してしまいます。

前回みた写真のアーチの崩れを骨の模型で前からみると下図のようになります。左図は理想的なアーチの状態、右図はアーチが崩れた状態です。右図では、内側に足が倒れて横アーチがなくなり、足の甲の高さが低くなります。横アーチはなくなり、第Ⅴ~Ⅱ趾が内側に倒れて、本来は歩行時に地面に接地しない足裏の部分が常に接地して圧迫されてタコができる場合もあります。

また、この形状のまま歩行時に趾を曲げるなど変形させるため、本来は靴に当たらない第Ⅴ、Ⅳ趾の指先に近い関節部分が足を蹴り上げる度に靴に当たるため、長時間歩行すると痛みが増していきます。

次回は、アーチの崩れによる上から見た骨の変形を確認していきます。

それでは、また。

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