前回記事「良い姿勢とは?」では説明が不足していたので、もう少し詳しくみていきます。
前回のイラストを参考に、A:一般的な普通の姿勢、B:昔の学校で習った「気を付け!」の姿勢、C:弊社が考える良い姿勢を下図に示します。身体の各部の医学的名称は聞きなれないものが多いですが、弊社ブログでは分かりやすく記載することを目指し、なるべく普段の会話で使うようなワードを使用して記載していきます。
これらの姿勢は、靴を履かない、もしくはヒールのない靴を履いた時に殆どの方が実現できる姿勢です。この姿勢を考える時のポイントは、身体を横からみた時に、身体の重心がどこを通るか(図中の緑色の点線)ということです。足の関節(いわゆる、くるぶし)を支点として「てこの原理」に則って考える(バイオメカニクス)と、支点と重心の間の距離に比例して、その姿勢を保つために必要な筋力が増加します。つまり、重心が足の指に近づくほど、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を働かせなければならず、より疲れるわけです。
前回記事でも記載したとおり、普通に立つ場合は多くの方がAの姿勢になります。重心はくるぶしより前に来ます。
一方、Bのような胸を張る姿勢をとると、自然と胸郭(肋骨などがある部分)が上を向き、それに伴って骨盤が下を向くと同時に、胴体が前方へ移動します。つまり、このような姿勢をとると、必然的に反り腰になって腰痛の原因になると同時に、重心はAより更に足の前方へ移動することによって、下腿三頭筋にAより大きな力をかける必要が出てきます。したがって、腰が痛くなって、足の筋肉も疲れるこのような姿勢は避けるべきでしょう。
このように考えたとき、腰にも足にも負担が最も少ない姿勢とはCの状態というわけです。Cのポイントは、胸郭と骨盤をお腹で引きこむようにして、重心をくるぶしに持ってきます。多くの方は初めは意識的にしか、この姿勢はとれません。特に、お腹あたりに少し力を入れて意識的にしなければ、腰を反らせないための骨盤を立てるポジションはとることができません。
このときに意識するお腹あたりというのが、いわゆる丹田です。武道やスポーツ書に重要であるとよく記載されている場所です。
Cの姿勢を意識的にとると、胸郭と骨盤が接合するような配置になるため、食道から胃、小腸、大腸がまっすぐになり腸が活動しやすくなるような気がします。そして、お腹周辺を気にすることで意識が向けられるので、より活動が活発になるような気がします。これらは科学的根拠があるわけではありませんので、興味があれば実感できるか試してみてください。
また、意識的にとる姿勢もやっているうちに習慣になって無意識にやるようになります。丹田を無意識に気にする、つまり、意識はしていないが気が送られる状態を実現できると、心身共に良い影響があるのではないかと想像しています。これも科学的な根拠はないので、ご興味ある方は実感できるか試してみてください。
次回は、靴を履いた時の姿勢を考えてみます。
それでは、また。
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