現在80歳の母は、1年ほど前のある真夏のお昼間に足湯をしていました。
酷暑の昼間になぜ足湯などしているのか尋ねると、母趾球周辺が青紫色になっているので血行が悪いと思って足湯をしていると言うのです。しかも、最近、その母趾球周辺が歩くと痛いので、外出するのも嫌になってきたとのこと。
青紫色になっている母趾球は間違いなく炎症を起こしています。足が痛くて歩きたくないというのは非常に困ったなあ、と思いました。
そこで、歩いている様子を確認すると、足のアーチが崩れた状態で歩いていたのです。外反母趾になる状況とほとんど同じ(靴と足と脚(2)参照)です。80歳近い母の足は、筋肉も少なくなって弾力もなく、アーチが整った状態を意識して歩くなどということは自力では難しそうです。
母は、昔から市販の革靴が合わず、いつも外出中に足が痛くて辛いと言っていました。
そのため、ここ何十年とスニーカーしか履いていませんでした。そのスニーカーを見てみると、痛い方の足の靴は母趾の部分が変形しています。
このスニーカーを履き続ける限り、この痛みは悪化するだろうなあ・・・
私が作る靴を履いてくれれば改善すると思うのだけど・・・
私が作る靴は革靴なので、絶対靴ずれするだろうから嫌だと言うのです。過去の苦い経験から、革靴は痛いものという思い込みがあるようです。
しかし、母の歩行を見る限り、足のアーチを整えた状態で歩ける靴を使うことでしか、母趾球の痛みを軽減できないと思ったので、だまされたと思って試してもらうことにしました。
私が作る靴は、もちろんパンプスです。高齢の母なので、最も低い1cmヒールで、アーチをキープして歩けるように各種パッドを挿入して製作しました。
靴を履く前は、「こんな甲の浅い靴で歩けるかなあ?甲が浅いから脱げそうな気がするけど。ヒールはほとんどないからいいけど。」と全く気乗りしない様子の母。
ところが、履いてみたところ、踵も全く脱げずにどこも靴に当たらず、普通に歩けます。
「問題なく歩けるみたいだから、しばらく使ってみる」
ということで、毎日のウォーキングに使ってもらいました。
すると、1ヶ月もする頃には母趾球の青紫色の炎症はすっかりなくなり、痛みも全くなくなりました。
さらに、昔から何十年もの間ずっと足の中央部にあったタコも消えたとのことでした。
正直言うと、高齢の母の頼りない足を靴だけでどこまでアーチをサポートできるか分かりませんでしたが、いわゆる開帳足の人にできる中央部のタコが消えたということは、バッチリアーチをサポートできていた証拠です。
母は、母趾球の痛みがなくなったこともさることながら、この何十年も地味に悩まされてきたタコが消えたことにとても驚き、喜んでくれました。
使用前は過去の経験から半信半疑だったパンプスでしたが、今となっては、買い物に行くときも、旅行に行くときもパンプスしか履かなくなりました。
高齢の母の歩行改善の話は更に色々ありますので、追ってご紹介していきます。
それでは、また。
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