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足と姿勢 ~姿勢は足で決まる~

以前、ご紹介したお客様について、その後の姿勢を拝見しながら、足からくる姿勢の問題について考えてみたいと思います。

弊社に初めてお越しくださったときは、かなりの前傾姿勢でした。

この時のフットプリントも併せてみると、かなりアーチがつぶれていて、いわゆる偏平足です。

これは、このお客様だけの話ではなく、足のアーチがつぶれると必然的にこのような姿勢になってしまうのです。アーチがつぶれる程、腰の位置が前方へ行ってしまう、というイメージです。

だから、足と腰の位置(姿勢)はセットで考えることが大切なのです。

つまり、

「足が整っていれば姿勢も整っている」

「姿勢を整えたいなら足を整える」

ということです。

偏平足とこの姿勢がセットということであれば、偏平足は良くない足の典型例ですから、この姿勢も良くないと考えるべきでしょう。

では、この姿勢の何が問題なのでしょうか?

多分、細かなことまで言い出したら数えきれないくらい様々な問題があるのではないかと思っていますが、弊社はオーダーシューズメーカーなので、靴と歩行という観点だけから考えます。

まず、靴という観点から。

それは、ずばり、ヒールやパンプス、ローファーなどの革靴全般を快適に履くことができないこと。更にいうと、この姿勢で立ったり歩いたりしていると、加齢とともにスニーカーでも母趾球が痛くて歩きにくくなる可能性があります。

なぜなら、このフットプリントの足の場合、ヒール高さには関係なく、必然的に母趾球に体重が乗りやすくなってしまい、相当な負担をかけることになるためです。いわゆる外反母趾の原因です。また、同時に、靴内で足に変な動きが出やすく、靴に足が当たって痛くなるためです。

次に、歩行という観点から。

実は、この姿勢は普通に立っているだけで非常に負担が大きいのです。

骨盤より上の上体が前に倒れないように、背中や腰、脚などの身体の後ろ側に位置する筋群で一生懸命引っ張らなければならなくなってしまうためです。

この時、更に問題だと思うのは、この姿勢では、臀部(お尻)周辺の筋群を十分に活用できなくなってしまうことです。筋というのは、どの筋も骨上の決まった2つの位置に付いて、目的の動きができるように備わっているため、骨が所定の位置からずれると、各筋の所定の動きができなくなってしまいます。

臀部周辺の筋群に含まれる大殿筋は、身体の中でも大腿四頭筋(もも前方)に次いで大きい筋なのに、それを十分活用できない状況になってしまうのです。

そもそも、身体の中でも2番目に大きな筋ということは、快適に立って歩くには余程活躍が期待される筋のはずです。しかし、姿勢のせいで十分に活用できない時には、他の筋がその役割を補完しなくてはならなくなってしまいます。

ただでさえ、理想の姿勢に比較すると負担が大きい状況であるにも関わらず、加えて、備えられた筋群を想定どおり使用できなくなってしまうのです。だから、背中、腰、下腿の後ろ側周辺にある筋群の一部は、恐らくキャパを超えて懸命に上体を支えざるを得なくなり、こうした無理な状況が腰痛等の様々な痛みにつながると考えられます。

更に、この姿勢の時、股関節、膝関節、足関節にも負担がかかるのは想像がつきます。つまり、各関節周辺の筋群等にもストレスがかかり、本来より伸びすぎたり縮みすぎたりした状態が続くということです。このような状態で日々生活しているうちに、徐々に様々な筋等が悲鳴を上げ、徐々に痛みを発し、耐えられなくなった時に突然痛すぎて歩けない状態になるわけです。

一方、理想の姿勢の場合には、全ての体重の負荷がくるぶしにストンと落ちるため、腰に負担をかけずに上体を支えることができます。

そして、臀部の筋群は期待どおりに活躍してくれるため、背中や腰、脚への負担はありませんし、各関節への負担もありません。

さて、このお客様の最近の足と姿勢を拝見してみましょう。

最近の靴を履いた姿勢を比較させて頂きました。

これまで弊社の靴をお使い頂きながら意識的に生活されていることもあって、当初の足と比較すると随分アーチができました。

しかし、このお客様の本来の足をシミュレーションするとオレンジ色の足です。形状が全く違います。

そして、左が既成靴で、右がクァオリアの靴での姿勢です。

実際の足も当初(2022年)の足よりアーチができたこともあって、姿勢はとても改善されましたが、既成靴では、どうしても大腿骨頭(大転子)の位置がくるぶしの真上には乗せられません。

一方、本来の足に合わせて製作したクァオリアの靴を履いた時には理想の姿勢で立って頂けました。クァオリアの靴は、お客様の実際の足ではなく、このオレンジ色の足を想定して製作するから理想の姿勢になって頂けるのです。(腰より上の上体の姿勢はお客様次第です。)

このように、靴が本来の足に合っていれば、理想の姿勢で立つことができるため、ヒールが高い靴でも快適に歩くことができますし、何よりも、この姿勢で立って歩く時に、身体への負担が最も少ないというわけです。

本来の足に合わせて設計された靴であれば、ヒール高さは関係ありません。そして、その時に最も身体への負担は小さいのです。

つまり、本来の足に合っていないスニーカーより、本来の足に合っているパンプスの方が快適に歩けて身体に負担も少ないということなのです。意外ですか?

しかし、このように、アーチがつぶれて本来の足と随分異なる足になっている場合、ご自身で本来の足を想定して靴を選ぶのは至難の業ではないかと想像します。実際の足とは、足長も足囲もまるで違いますから。ですから、靴を選ぶときは、是非、姿勢を見ながら靴のアドバイスをしてくれる本当のプロにご相談くださいね。身体への負担にも大いに影響することなので、靴選びは大切になさってください。

今回は、横から見た姿勢について、足(靴)による姿勢の違いの差を説明しました。

それでは、また。

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