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靴と意識による姿勢の変化例(Case1)

ここでは、ヒール靴を履いた時の姿勢は、靴と筋力で決定されるという事例を見てみます。弊社が目指す姿勢(以下、理想の姿勢)を実現するには、靴の設計が適切なだけでは十分ではなく、適切なバランスのとれた筋力も必要となるのですが、日々そうした姿勢を意識した生活を送ることで、自然と必要な筋力が整っていくわけなので、「靴」と「意識」によって姿勢が大きく改善した事例です。

弊社の靴設計に必要な足の計測時、つまり、お客様がご自身の姿勢を全く意識していなかった時点で、最もお気に入りだった靴での姿勢がAでした。腰がくるぶしより大きく前に位置して、かなり反り腰になっているのが分かります。このような状態では、常に前足部で体重の大部分を支えることになるため、低いヒール靴でも前滑りしやすくなります。

次に、弊社の靴の納品時に履いて頂いた際の姿勢がCです。初めて弊社の靴を履いた時点で、弊社が目指す姿勢(理想の姿勢)をご説明して、可能な限りそのような姿勢を取って頂いたものです。この時点では、この姿勢の維持に必要な筋力は整っていないため、長時間はこの姿勢を維持できませんでした。

その後、2ヶ月ほど弊社の靴を使用しながら、姿勢を意識した生活を送って頂いた後の姿勢がDです。Cに比較すると、理想の姿勢を維持するための筋力が全体的に養われたため、かなり理想の姿勢に近くなりました。あと一歩というところです。

その後、更に4ヶ月、納品時から約6ヶ月後経過した時点で、従来のお気に入りの靴を履いた姿勢はB、弊社靴を履いた姿勢はEです。

従来の靴での変化(A→B)を見ると、反り腰は随分改善されて、理想の姿勢に非常に近くなりました。

一方、弊社靴での変化(C→E)を見ると、Eは理想の姿勢そのものになっています。

姿勢を意識した生活を送った約6ヶ月後で比較すると、Eでは、理想の姿勢そのものとなっているため、理想の姿勢を維持する筋力は全体的に整っていると捉えられますが、Bでその姿勢が取れないのは、靴がそのような姿勢をサポートできる設計になっていないからです。この靴でとれる理想の姿勢はBが限界ということです。

ヒールが低ければ低いほど、靴の設計が姿勢に与える影響は小さくなりますが、この事例のように、低いヒールでも適切な設計になっていない場合には、身体全体の筋力が整っていても理想の姿勢はとれないことが分かります。

したがって、理想の姿勢をとるためには、「適切な設計の靴」+「姿勢を維持するための身体全体のバランスのとれた筋力」が必要なのです。

さて、このお客様は、以前はご家族から「歩き方がおばあさんみたい」と言われて気になっていらっしゃったとのことですが、最近は歩行時も理想の姿勢に変わり、見違えるような歩き方となられました。ご本人も大変喜ばれていらっしゃいます。

更に、我々も知りませんでしたが、年齢を経るにつれお手洗いが近くなっていたのが、このように姿勢を意識して生活を送ることによって、かなり改善されてQOLが大きく向上されたとのことです。恐らく、理想の姿勢を維持しようとすると丹田にぐっと力を入れることになるので、下腹部周辺の様々な筋力が養われたのではと推測します。

副次的な効果も実感されたようで、弊社としても大変嬉しいフィードバックでした。

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